2023年5月7日(日)礼拝説教 創世記1章1-19節 「神が天地を創造した」 説教者:赤松勇二師、CS説教:赤松由里子師

<子どもたちへ>赤松由里子師

 まぶしい天気の続いたゴールデンウイークも終わりますね。新緑や花たち、鳥たちがにぎやかなこの時期にふさわしく、今日からは聖書天地創造のお話を学びます。世界のはじめを聖書はどう伝えているのでしょうか。

 神様は天と地を創造することになさいました。最初この世界は何もなく、闇があるだけでした。1日目、神様が「光あれ」と言われると光が出来、光は昼、闇は夜と名付けられました。
 2日目、神様が「大空が現れよ」と言われると、大空が出来て「天の上の水」と「天の下の水」が分かれました。大空は「天」と名付けられました。
 3日目、神様は「天の下の水は集まれ。乾いたところが現れよ」と言われました。乾いたところは「地」、水の集まったところは「海」と名付けられました。更に神様は「地には植物が出来るように」といわれました。草花も実のなる木も生えて、素晴らしい環境です。
 神様はこうして前半3日で生命が生きていける舞台を整えられたのですね。

 4日目、神様は「光るものが大空に出来よ。」すると太陽と月がそれぞれ昼と夜を照らすようになりました。星も出来ました。
 5日目、神様は言われました「水の生き物、空の鳥が生まれよ。」それで海や水には魚やイルカ、様々な生き物が泳ぎ始めました。空には鳥たちが歌を歌い、気持ちよさそうに羽ばたいています。
 6日目、神様は「動物たちが生まれよ」と言われました。ネズミや猫や犬などの小さな動物。ライオン、キリン、象、サイなどの大きな動物。虫も地面を這ういきものも生まれました。

 さあ、天地創造はいよいよ最終段階です。神様がクライマックスにお造りになったのは特別な存在、そう、人間でした。神様は言われました。「さあ、人を神の似姿に作ろう。そして彼らに今造ったすべてを支配させよう」。こうして人を男と女とに創造なさいました。神様の手足や顔がこのような状態だ、という意味ではありません。神様は霊なので体はありませんが、知性や理性、そしていのちの息を吹き込まれた特別な存在だということです。こうして天地のすべてが完成しました。それは「非常に良かった」とあり、神様が満足なさる素晴らしい世界であったことが分かります。
 7日目、神様は「なさっていた創造のわざをすべてやめて、7日目を祝福しこの日を聖なるものとされた」とあります。ここに1週間が7日、という起源がありますね。それに、聖なる安息日として、創造主なる神様を礼拝する日となりました。今は日曜日にイエス様の復活を記念して礼拝しています。

さあ皆さん、どう思いましたか?子供向きの楽しいお話、神話の世界と思いますか?今日のみことばを2つ読みましょう。1つ目のみことばは聖書の書き出し、一番初めのことばです。ここですでに「世界を作られた神様がおられるのですよ」と、はっきり宣言されています。また創造の記事は、「私たちは神様の愛と配慮を持って創造された、喜ばれ目的のある存在です」と教えてくれます。学校の理科では進化論を学んだことでしょう。そこでは生命は偶然に生じて、偶然に進化しアメーバからサルへ、そしていつしか人間になったと教えられています。しかしそれは、神様の存在を認めない立場による仮説に過ぎません。命の起源を真剣に突き詰めて研究した科学者から、生命の神秘の前には神の存在を認めざるを得ない、と導かれた方はたくさんいます。
 再現実験によって確かめることが出来ない事、それが天地の始まり、いのちの起源です。しかし聖書は「神様がおられます、創造主です」と教えてくれています。小さい頃から聞いてきたお話の中に、大きな真理と私たちの存在の意味が示されています。「若い日に創造者を覚えよ。」この2つ目のみことばを皆さんに今日、心から送りたいと思います。神様の存在と創造を信じましょう。

<祈り>
 「神様、この世界のすべてを神様が素晴らしくお造りになったことを学びました。神様の配慮とご計画が世界の初めから用意されていたことを感謝します。神の存在を認めないのが科学的だ、という風潮の中で私たちは教育を受けてきました。しかし聖書が宣言する創造主の存在を私たちは信じます。愛と配慮と目的をもって造って頂いた存在として、神様の祝福をしっかり受け留められる人にしてください。御名によってお祈りします。アーメン。」

「はじめに神が天と地を創造された。」  創世記1章1節
「あなたの若い日に、あなたの創造者を覚えよ。」  伝道者の書12章1節

<適用>赤松勇二師

 物事には、何事にも始まりがあります。授業の始まりは、チャイムが知らせます。礼拝のために毎週題字を書いて頂いています。題字の始まりは、最初の文字の一画目となります。教会では、毎月1回有志で集まって習字の練習をしています。私も参加させて頂いて練習をしています。私は、文字の一画目を書くために筆を下ろすたびに「あっ!」と言ってしまいます。書き始めから自分が思っているようにならないのです。でも「終わり良ければ・・・」と思い、何とか形にしようとするのですが、最後の一筆も「あっ!!」と言いながら終わったりしています。
 聖書は、「世界のはじまり」にはどんなことを教えているのでしょうか。引き続いて御言葉に耳を傾けていきましょう。

Ⅰ;はじまりがある

 神が天地を創造しました。この世界は、神様によって造られ、はじまりました。その方法は、神様ご自身の言葉によってです。神様によって造られたと言うことは、造られた世界は精巧に、秩序立てて造られたことを意味しています。創世記1章は、「はじめに神が天と地を創造した(1節)」ではじまり、「見よ、それは非常に良かった(31節)」で終わります。この神様の宣言は、これ以上手を加える必要がないほどに完全だったということです。神様は、この世界を完全なものとして造られました。聖書は、この世界にははじまりがあり、終わりがあると教えているのです。創世記1章1節は、天地をはじめ、終わらせるお方が誰であるのかを明確にしています。「はじめに神が天と地を創造した」のです。神様は永遠にご自身で存在され、支配しておられます。

 日本では、学校教育の中で当然のように進化論を学びます。その進化論では、すべてが偶然に発生して、偶然の連続で星々が誕生し、地球が出来、偶然生物が存在するようになり、進化して人間になったと主張します。進化論では、命の誕生は偶然ということになります。人間への進化も偶然で、人の存在そのものが偶然となるのです。そして偶然だから、生きる意味、存在する目的など説明できるわけがないのです。そこで、誰もが生きる意味を見出すことが出来ず、存在目的を知らず何の望みもなく生きているのです。
 しかし聖書は、はっきりと私たちの世界が偶然に出来上がったのではなく、創造主なる神様によって造られたことを教えています。そこには、秩序(神様の秩序)があります。神様によって造られたと言うことは、そこに神様の意図があり神様の思いがあるのです。神様は、人間を人間として造られました。詳細は来週見たいと思います。神様は、人間を、私たちを特別な存在として造られたのです。だから人間は、偶然存在するようになったのではなく、神様によって存在意義をもって造られたのです。そのことを心に留めましょう。

 さらに注目したいことは、「神は仰せられた」とあることです。神様はご自身の言葉によってすべてのものを造られました。神様が言われるとその通りになりました。神様の言葉には無からすべてを造りだす力があります。神様は、ご自身の御心のままに世界を造られ、治めておられます。誰もこれに対して異議を申し立てることは出来ません。それほどに神様は偉大で、力のあるお方なのです。今も神様の言葉は、私たちのうちに生きて働き、無から有を生み出す力で私たちを満たします。神様にとって不可能なことは一つもありません。私たちはこの神様の力によって押し出されて、歩んでいけることを感謝しましょう。

Ⅱ;素晴らしい世界

 神が天地を創造しました。それは、とても素晴らしい世界でした。この世界は、創造主なる神様によって造られたのでそこには秩序があり、目的と意味があります。それは、創造の順番にも現われているのではないでしょうか。もし最初に動物を造ってしまったら、生存することは難しかったでしょう。そこには光や太陽光がないからです。植物を最初に造ったとしても、やはり直物のための環境がありませんから、植物は育たないのです。神様の創造の順番は、動物や植物そして人間が存在するための必要なすべてが整う順番でもあったのです。

 神様は、第一日目に「光り」をお造りになりました。こうして、闇を切り裂く光りが地上を照らし、昼と夜が区別されました。第2日には、大空が造られ、上の水と下の水とが区別されました。第3日には、海と陸が造られ、種類にしたがって植物が造られました。第4日には、太陽と月と星が造られました。そして季節が定められました。人間は、「太陽、月、星、山、海、大木、大きな石など」自然界のあらゆるものを礼拝の対象とします。しかしそれらのものは、創造主なる神様によって造られたものでしかありません。第5日には、空の鳥と海の中に生息するすべての生き物が造られました。そして第6日目には、地上のすべての生き物を造り、最後に人間をお造りになりました。人間は、神様のかたちに似せて造られ、特別な存在として造られたのです。

 太陽と地球の距離は、とても大切だと言われています。地球と太陽の距離がもう少し近いと地球は熱すぎ、遠すぎると寒すぎてしまいます。地球と月の距離もそうで、地球と月の重力の違いにも意味があります。地球には、重力があるので地球上の生き物は宇宙に投げ出されることなく地上にとどまることが出来ています。また神様は、太陽と月と星を造ることで季節を定められました。季節があることで、人も動物も植物も生存することが出来るのです。特に日本では、四季(四つの季節)を楽しむことが出来ます。この季節は、作物を作るために必要な水、気温などを提供してくれます。地球の傾きも地球の自転の速度も丁度良いのです。私は、小学生の頃「地球儀」を見て、ちょっと傾いているのを不思議に思ったことがありました。実際に地球は、傾いていてその傾きがあるから丁度良いのだそうです。

 このように創造主なる神様に造られた世界は、神様による秩序があり、神様によって存在しているのです。また神様は、ご自分が創造された一つひとつをご覧になり、「良しと見られ」ました。また創造の最後に神様は、「見よ、それは非常に良かった(31)」と宣言されたのです。神様の創造は、完璧であり、完全なきよさを保っていたのです。造られたすべてのものは、主の栄光に満ち、神様の恵みに溢れているからこそ、素晴らしい世界なのです。
 「はじめに神が天と地を創造しました」。私たちは、すべてを造られ、支配し、秩序を守っておられる神様を信じ、礼拝しましょう。

Ⅲ;7日目の祝福

 神が天地を創造しました。この創造のみわざの最後に神様は、7日目を祝福されました。
 「神は第7日に、なさっていたわざを完成し、第7日に、なさっていたすべてのわざをやめられた。神は第7日を祝福し、この日を聖なるものとされた。(創世記2:2-3)」神様は、7日目にすべてをやめられたとあります。これは、神様が疲れてしまって働きを休んだとか、やめたということではなく、聖なる日として定めたことを意味しています。神様は、7日目を祝福の日とされたのです。実に天地創造は、神様の祝福に満ちています。神様は、動物たちを「生めよ。増えよ」と祝福し(創世記1:22)、人間に対して「生めよ、増えよ。地に満ちよ。」と祝福されました(創世記1:28)。その上で、神様は7日目を祝福し、聖なる日とされたのです。これは、7日のうちの1日を聖なる日とし、主のみざわを覚えて、主を礼拝することの大切さを教えています。聖書は、7日目を安息日として守ることを教えています。

 神様は、モーセを通して定めた十戒の中で「安息日を覚えて、これを聖なるものとせよ(出エジプト20:8)」と命じておられます。私たちは、神様が定め命じているので守る必要があります。確かに神様は、安息日を守るようにと命じておられます。けれども、私たちは、命じられているから、義務として安息日を守り礼拝するのではありません。私たちが、安息日を守ることはもっと積極的な意味があるのではないでしょうか。神様は、7日目を祝福し、聖なるものとされました。ですから安息日を守る事は、創造主である神様の御名を賛美し、礼拝し、神様からの祝福を受けることにつながっているのです。

 今、私たちは、週の初めの日である「日曜日」を礼拝の日として大切にしています。この日は、神様に造られた者としての感謝と救いの恵みを感謝し礼拝する大切な日となります。イエス様は、私たちの罪のために十字架で死なれ葬られ、三日目の週の初めの日である日曜日に死を打ち破りよみがえられました。ですから私たちは、日曜日を聖なる日として大切にする必要があるのです。この聖なる日は、神様によって創造され、生かされていることを感謝する日なのです。また私たちがささげる礼拝は、イエス様の十字架と復活によって失われていた神様との関係が回復していることを感謝する時でもあるのです。私たちが主なる神様を心から礼拝する時、私たちの心に創造主なる神様からの祝福が豊かに注がれ、私たちの心が喜びに満たされるのです。ですから私たちは、主なる神様を礼拝する事を大切にしましょう。

 神が天地を創造されました。この世界は、創造主なる神様によって造られ、はじめられ、導かれています。神が天地を創造されました。それは非常に良く、神様の栄光に満ち、恵みに満ちている素晴らしい世界です。神が天地を創造しました。そして7日目を祝福し聖なるものとされました。私たちは、創造主なる神様を見上げ心から礼拝しましょう。

<祈り>
 「愛する天の父なる神様、あなたの聖なる御名を賛美します。神様は、この世界の全てを造られ、神様の秩序によって守られ、支えられていることを感謝します。神様は、無から有を創造される方であり、今も神様の御力によって私たちは導いて頂けることを信じます。私たちは、創造主なる神様の祝福と恵みを感謝し、主の御名を賛美します。神様、私たちを祝福し、主の栄光で満たして下さい。
 先週、大きな地震がありましたが、被害を受けた地域での復旧が進みますように祈ります。新型コロナウイルスの感染が下火になっているように思われます。神様、一人ひとりの健康と生活を守って下さい。コロナウイルスの感染が収束するように導いてください。
 神様、ウクライナとロシアとの戦争を終わらせてください、両国間に平和をお与え下さい。世界にある紛争地域でも戦闘が終わり平和が確立しますようにとお願いします。シリアとトルコの大地震の復興も導いてください。
 この祈りを私たちの救い主イエス・キリストの御名によってお祈りします。アーメン。」